仕事で役立つGoogleスプレッドシートの使い方
売上管理や在庫チェック、ドル建て見積書の作成まで、Googleスプレッドシートでサクッと効率化📊 為替レートの自動取得、データ検証やチェックボックス、フィルタ表示とピボット、共有権限や保護範囲、メール通知のコツまで⏱️ テンプレート活用も交えて、実務で役立つ使い方をご紹介します。
Googleスプレッドシートの基本設定と業務テンプレート活用📊
「ファイル > 設定」⚙️で地域・タイムゾーン・通貨・再計算を先に揃えましょう。再計算はGOOGLEFINANCEやNOWの更新に影響します。表示形式で日付YYYY-MM-DDと千区切りを統一し、1行目を固定します。不要な編集は「保護された範囲」で担当列のみに絞ると事故が減ります。
ギャラリーの見積書・請求書🧾はロゴ差し替えで即運用できます。発行番号は=TEXT(TODAY(),”yyyyMM”)&”-“&TEXT(COUNTA(履歴!A:A)+1,”000”)で自動採番すると重複を防げます。売上台帳はチェックボックスで入金済を管理し、未入金は条件付き書式で強調します。在庫は「商品マスター」を別シートに置き、プルダウンとSUMIFSで数量を集計します。
通貨はカスタム書式[$¥-ja-JP]#,##0で円表示、ドルは$形式で区別しましょう。税計算は名前付き関数TAX(amount)にまとめ、税率変更も1か所で反映できます。共有前は表示形式のクリアと範囲保護、リンクのアクセス権を確認し、公開ミスを防ぎます。🔒
売上・在庫を正確に集計する必須関数:SUMIFS/QUERY/XLOOKUP/ARRAYFORMULA🔢
売上や在庫を正確に集計するなら、用途に合わせてSUMIFS・QUERY・XLOOKUP・ARRAYFORMULAを組み合わせるのが近道です🔢 たとえば月次売上は日付と品目で条件を重ねて集計し、マスターの単価は参照で自動入力、行の追加も自動拡張でメンテナンスを減らします。
- SUMIFS:期間×SKUで売上合計
=SUMIFS(Sales!F:F, Sales!A:A, “>=2025-07-01”, Sales!A:A, “<=2025-07-31”, Sales!B:B, A2) - QUERY:グループ化とラベル
=QUERY(Sales!A:F, “select B, sum(F) where A >= date ‘2025-07-01’ and A <= date ‘2025-07-31’ group by B label sum(F) ‘Revenue'”, 1) - XLOOKUP:商品マスターから単価取得(未登録時の文言)
=XLOOKUP(B2, Master!A:A, Master!C:C, “未登録”, 0) - ARRAYFORMULA:行の自動計算
=ARRAYFORMULA(IF(LEN(B2:B)=0,, E2:E*D2:D))
在庫は入出庫を分けて集計すると齟齬が出にくいです。例:在庫残=SUMIFS(In!C:C, In!B:B, A2) – SUMIFS(Out!C:C, Out!B:B, A2)。数値が文字列化していると計算が狂うので、必要に応じてARRAYFORMULA(VALUE(範囲))で型をそろえます。
実務で効くコツは3つ。1) QUERYのdateリテラルは常にYYYY-MM-DDで書く(ロケール設定に依存しません)。2) XLOOKUPは検索方向search_mode -1で「最後に一致」を返せるため、価格表を日付降順に並べて最新単価を安全に取得できます。3) SUMIFSは列全体参照よりA2:Aのように開始行を固定するとパフォーマンスが安定します📈
データが整う設計術:データ検証・チェックボックス・条件付き書式・フィルタビュー🧩
まずはデータ検証で誤入力を封じます🧩 「範囲からリスト」で商品マスターの列を参照し、UNIQUEで重複を除いた補助列を用意するとドロップダウンがすっきりします。カテゴリ→SKUのような連動リストは、カテゴリごとに名前付き範囲を作り、明細では=INDIRECT(“SKU_”&$B2)とすると選択肢が切り替わります。検証は必ず「入力を拒否」にして、説明文で記入ルールを明記しましょう。
チェックボックスはTRUE/FALSEの論理値として扱えるのが強みです。入金管理なら、列Gにチェックボックスを入れて条件付き書式を=AND($G2=TRUE, $H2<TODAY())とすれば、チェック済かつ期日超過などを色で可視化できます。未選択セルは数式の対象外にするため、=IF($G2, 金額, )のように分岐させると集計が安定します。
集計や閲覧はフィルタ表示で分けるのが安全です。並べ替えや絞り込みを保存しても他の編集者には影響しません。たとえば「未入金のみ」「在庫僅少のみ」といったフィルタ表示を作り、名前を付けておくとURLで共有しやすく、定例ミーティングでも即再現できます。仕上げに、検証ルールと書式ルールを「Rules」タブに一覧化し、範囲保護で変更者を限定しておくと運用が長持ちします🔒
分析と可視化のコツ:ピボットテーブル・グラフ・スライサーで一目で把握📈
原表の売上を一目で把握するならピボットテーブルが軸です。[挿入>ピボットテーブル]で、行に請求日、列に商品カテゴリ、値に金額(合計)を設定。請求日は右クリック→グループ化で「月」単位にすると月次が整います。さらに「合計を表示」をオンにしてカテゴリ別の寄与を把握。返品がある場合は値を2つ追加し、金額(合計)と返品(合計)を並べると差分が見えます。
可視化はピボットをデータソースにしたグラフが安定です。月別売上は集合縦棒、粗利率は折れ線のコンボにして第2軸を使用。系列名と色は固定しておくと月が増えても崩れません。表の横にスパークラインも便利です。例:=SPARKLINE(F2:Q2, {“charttype”,”column”;”color”,”#34a853″}) 📊
スライサーは[挿入>スライサー]で追加し、フィールドに担当者・地域・SKUを設定。ピボットの範囲に適用すると、切り替えだけでグラフも連動します。ダッシュボード用のシートを作り、スライサーとグラフを集約。適用範囲はピボットに限定し、シート保護でレイアウトを守ると運用が安定します。URL共有用にフィルタ表示名も揃えておくと便利です🎯
共有と自動化で時短:アクセス権限・保護範囲・GOOGLEFINANCE・Apps Script・メール通知⚙️
共有は「共有」ボタンから一般的なアクセス=制限付きのまま、必要な相手だけに付与します。役割は閲覧者/コメント可/編集者を使い分け、編集者に権限変更と共有を許可のチェックは外して再共有を防止。さらに保護された範囲で計算列やマスター表をロックし、入力欄のみ編集可にすると事故が減ります。閲覧者のダウンロード・印刷・コピーを無効にする設定も有効です🔒
GOOGLEFINANCEで為替や株価を取得し、見積やレポートに反映できます。例:=GOOGLEFINANCE(“CURRENCY:USDJPY”)。変動値は「ファイル>設定>計算」の再計算に影響するため、請求確定時は値貼り付けで固定しておくと金額のブレを避けられます。日々の基準レートは別シートに記録(日時・レート)し、XLOOKUPで参照。通信途切れに備え=IFERROR(GOOGLEFINANCE(…), 前回値)の設計が安心です💹
自動化は「拡張機能>Apps Script」から。時間主導トリガーで毎朝「未入金」や「在庫僅少」を抽出し、MailApp/GmailAppで要点のみをメール配信すると確認が速くなります。件名に日付とシート名、本文にスプレッドシートURLとフィルタ表示のリンクを入れると再現性が上がります。加えて「ファイル>通知設定」で編集通知の即時または日次ダイジェストも併用。送信ログ(日時・件数・宛先)をシートに残すと運用の見直しがしやすいです⚙️💌
まとめ
Googleスプレッドシートは、設定を整え(地域・通貨・再計算)、テンプレートを基に運用設計し、SUMIFS/QUERY/XLOOKUP/ARRAYFORMULAで原表から自動集計、データ検証・条件付き書式・フィルタ表示で入力品質を担保、ピボットテーブルとグラフ+スライサーで見える化、共有と保護範囲・GOOGLEFINANCE・Apps Script・メール通知で運用を回す、という流れが効きます。合言葉は「数式は短く、権限は厳しく、入力は選ばせる」。まずは(1)「ファイル>設定」を揃える、(2) 商品マスターを作りXLOOKUPで単価を自動入力、(3) 未入金のフィルタ表示とメール通知を1本だけ作る――この3点を今日中に。ダッシュボードは参照のみ(手入力NG)、週15分の棚卸しでルールと数式を見直すと、ムダな修正が激減します📈